基礎工事とは?種類や工程を丁寧に解説
基礎工事とは、建物を支える土台を作る工事のことを指します。基礎は建物と地面をつなぐ部分で、建物の重さや地震・台風などの外的な力によって、建物の一部分が地中に沈んでしまう不同沈下を防ぐ役割を担っているため、基礎工事は新築の注文住宅を建てる上で非常に重要な工程です。
また、基礎工事には様々な種類がありますが、大きく杭基礎と直接基礎の2種類に分けられます。杭と呼ばれる円筒状の柱を地面に直接差し込むことで建物を支えるのが杭基礎で、主に地盤が軟弱な場合に採用されます。
一方、直接地盤に基礎を築くのが直接基礎です。直接基礎にも様々な種類がありますが、代表的なものとしては、建物の土台全体にコンクリートを敷き詰めるベタ基礎や、負荷がかかる部分のみに逆T字型の鉄筋コンクリートを埋め込む布基礎が挙げられます。ベタ基礎は、安定性が高いことに加えて、地面から発生する湿気や地中から侵入するシロアリを防げるというメリットがあります。布基礎は、ベタ基礎よりもコンクリートの使用量が少ないので、コストや地盤への負荷を抑えられるというメリットがあります。
以上が代表的な基礎工事の種類となりますが、次に基礎工事の工程について確認していきましょう。ここでは、多くの家で採用されているベタ基礎の大まかな工程について解説していきます。
地盤調査の結果、問題ない地盤であることが判明したら、まず基礎の外周に縄やロープを使って印をつける地縄張りが行われます。そして、重機を使って基礎の底となる深さまで地面を掘削していきます。この掘削工事は根切りとも呼ばれますが、この工事が完了したら掘削した部分に砕石を敷き詰めて、ランマーという機械で地盤を固めます。ここでしっかりと地盤を固めることで、建物の沈下を防ぐことが可能です。
次に、砕石の上に防湿シートを敷き、建物の建築位置を間違えないようにするために、捨てコンと呼ばれるコンクリートを基礎の外周部に流し込んでいきます。捨てコンが乾いたら、建物を建てる位置に鉄筋を組み込むとともに、基礎の外周にコンクリートを流し込むための型枠を組みます。続いて、型枠の中にコンクリートを流し込んで、平らにならします。
流し込んだコンクリートが乾いたら、今度は基礎内部に型枠を組み、基礎と土台をつなぐアンカーボルトを設置します。アンカーボルトが設置できたら、型枠の中にコンクリートを流し込み、コンクリートが十分な強度になるまでに破損しないように養生していきます。コンクリートの強度が十分になったら型枠を外して、勝手口の土間を作ったり、つなぎ目の不要な部分を除去したりしたら、基礎工事は完了です。

