縁側のある家の魅力とは
近年、縁側のある家を建てる方は減少傾向にありますが、縁側のある家には様々な魅力があります。縁側は、家族団欒や来客をもてなす場として活用できますが、最近は若い世代でも利用しやすいウッドデッキ風などおしゃれなものも増えています。
また、縁側は単にコミュニケーションの場として活用できるだけでなく、屋内と屋外の緩衝地帯になって室内の温度を一定に保つという役割を担ってくれます。室内を一定温度に保ちやすくなるということは、冷暖房の設定を弱めても快適に過ごせるということなので、節電や省エネ効果を得ることが可能です。加えて、縁側上部の屋根の庇は、夏場に直射日光が室内に入るのを防ぐという役割があり、逆に太陽高度が低くなる冬場は室内に太陽光が差し込むので、より一層快適な住環境を作ることができます。現在では、どの家庭にもエアコンが設置されていますが、エアコンがない時代は縁側が室温を調整する重要な役割を担っていました。
また、縁側には工夫次第で開放感がある空間を作れるというメリットもあります。例えば、部屋の床と縁側の高さをフラットにすれば空間を広く見せることができますし、縁側の素材と室内の床材・天井材を統一すれば、より一層開放感を得ることが可能です。
このように縁側には様々なメリットがありますが、一方で縁側のある家を建てるには、ある程度の広さの土地が必要です。居住スペースを削って無理やり縁側を設置しても、暮らしにくい住宅となってしまい後悔する可能性が高いので注意しましょう。ただし、最近ではコンパクトな縁側を採用するケースも増えているため、土地が広くないからと言って一概に縁側を作れないとは言い切れません。なお、縁側のサイズにもよりますが、居住スペースの外側に1メートルほどのスペースがなければ設置できませんし、建築基準法で定められた建蔽率や容積率の関係で建築面積に制限がかかることもあるので注意が必要です。
加えて、縁側はコミュニケーションの場として最適ですが、庭を眺められる設計にした場合、庭の手入れが必要になるというデメリットが生じます。庭が荒れ放題になっていては、せっかく設置した縁側の魅力が半減してしまうので、庭の手入れはこまめに行いましょう。さらに、縁側はプライバシー性や防犯性が疎かになりやすいというデメリットもあるので、周囲の道路から見えない位置に設置したり、窓から侵入されないような対策を講じたりする必要もあります。

